ダイヤモンド スポルティーフ

最終更新日:2023/11/07

 

 08年の暮れに、とある事から79年製ダイヤモンド・スポルティフ DS-530 を手に入れました。ハンドルがヤンキー仕様のDQN改造をされていましたが、部品構成はノーマルっぽくて何とかなりそうと思ったのもつかの間、シートラグの上部が鉄ノコで切られていました。なぜ、この様になっているのか詮索するのも無駄なので、ロウ盛りするかパテ埋めするか、色々思案です。塗装状態はまあまあでしたが、ヘッド周りとセンタプル周りが灰色ラッカースプレーで塗りたくってありました。部品構成はハンドル以外ほぼノーマルでしたが、右クランクのみ純正のサカエSRからスーパーマキシィに変わっていました。どうせなら左クランクも変えてくれれば再使用できるのに、使えないやつです。仕様がDQNにもかかわらず、雨ざらしにはなっていなかったようで、塗装の浮きは見られず、総じて部品の錆びもありませんでした。DQN改造してからあまり乗っていなかったのでしょうね。ともあれ、名車ダイヤモンドがこのような姿では忍びないので、なるべく現状維持しつつ改造に着手しました。

 

 送られてきたばかりの姿で、運送のためフロントの泥除けとキャリアは取り外されています。ハンドルは見事なまでのUpハンドルで、こんなの売ってるのですね。ちなみに材質は鉄でした。右は切られたシートラグ部です。何のために上部のみ切断するのかは知りませんが、ラグレス教か何かの宗教なのでしょうか?。ピン部はかろうじて残っているので、締め付け強度は取れそうです。ブレーキアウターはフロント、シート部共に純正のようで、ハンドルのみ付け替えていたようです。

 最初は塗料の確保です。車のタッチペンを使用したのですが合う色がなかなか見つからず、似たようなものを2つ買うも微妙に濃い色でした。まず買ったのはヴィッツのライトアクアメタリック(左・T-47・Holts)。シールの色は似ていますが、いざ塗ると青が強くなりました。次はスズキのワゴンR用ミントグリーンM(中・ZJ9・Soft99)。似ていると思ったのですが少し緑が濃くて、グランテックのグリーンにぴったりでした(笑)。結局、車用で淡い緑は無く、通常の塗料を探して水性塗料のミントグリーンにたどり着きました。色はほとんど同じなのですが、メタリックではないのでべたっと塗ったような感じになります。品番は日塗工45-80H、マンセル5G8/4だそうです。自転車用塗料ではこれのメタリックがあるのでしょうね。BSの軽快車などにも時々見かけます。

シートラグ

 なぜか上部が切られていましたが、かろうじでシートピンは免れており、シートポストを固定するには問題なさそうです。このままでも使用できますが、あまり格好のいいものではないので、まずはパテ埋め。それでだめならロウ盛りして再塗装になります。ただ、出来るだけオリジナル重視なので再塗装はなるべく避けたくて、まずはパテ埋めにしました。少しは稼動する部分なのでパテは車のバンパーパテを使用します。形は同じDIAMONDのキャンピングのラグを参考にするため、まずは型取りです。続いてビニール袋に包んでピラーに付かないようにしてパテを盛ります。乾いてから表面を整えるのですが、素材が樹脂ですので鉄やすりではすぐに目詰まりを起こし、サンドペーパーでもうまく行きません。結局十分に乾かしてからサンドペーパーでこすりました。

 

 少し色を塗ってみましたが、まだまだザラザラした仕上がりです。パテ部が少し大きいため、上部の形を考慮してグラインダで慎重に削ってゆきます。パテはラグと結構強く接着していましたので、かなり薄くまで削りこめます。上部の形を整えてから、耐水ペーパーの600〜1000番で仕上げてゆきます。

 

 大体の位置まで削りこみましたが、切り取られた部分は意外と多いですね。塗料を塗って、多少コンパウンドかけて終了です。少し厚ぼったくなりましたが、強度の関係上あまり薄くするのは怖いので、この程度で我慢です。

 

キャリア

 キャリアはセンタプル台座とステー台座で止められた優雅なものです。スプレーで塗りたくられていたためシンナーで落とすのに苦労しましたが、かえってさび止めの効果もあったようで綺麗に復活しました。

ブレーキ

 グランコンペ・センタプルの直付けです。ここらへんはコストダウンされておらずDIAMONDの名に恥じません。ここも灰色スプレー攻撃を受けてましたが、そのおかげか磨けば錆びも無く良好な状態です。メッキもさすがグランコンペと言うところでしょうか。効きはセンタプル直付けにより、強力かつコントローラブルです。なお、太鼓ワイヤをレプリカ品に変えたので、多少太鼓径が小さくなってます。

ボスフリー

 SUNTOUR Perfect5段、15-17-19-21-24で当時の標準仕様です。清掃で綺麗になりましたが、RDの消耗具合に比べると歯の消耗が異常に少ないのが不思議です。どこかで同じ物に交換している可能性があります。このまま使っても良かったのですが、INDEX仕様に変更が決定されていたので、ウルトラ6 14-15-17-19-21-23を入れました。

 

 120mmエンドにウルトラ6は入りますが、TOPでのチェーンはエンドぎりぎりですね(左)。擦るかと思いました。また、チェーンステーの止めネジは当然ナットから出ないようにカットしてあります(右)。TOPがあまりにエンドよりなので、1速へのリターンが弱いかとも思いましたがちゃんと変速しております。なお、レバーの問題でうまくシンクロせず、レバーやフリーの組み合わせを数種類試して5日ほど悩んだ末に、ちゃんと動くようになりました。その時の奮戦記はまた別項で。

 

クランク

 元々はサカエの5アーム165mmが付いていたはずですが、チェンリングのみスーパーマキシー5アームに変えられてました。組み上げには、DC545に付いていたサカエSuperApex-3TGの170mmをつけています。チェンリングはすんなり外れましたが、左クランクは固着が激しくて溝のほうが負けてしまいました。うまく救っても使えないので、BBのほうを救出するべくクランクに鉄ノコで割を入れました。フレームが傷つかないように注意して10分程度で割が入って取れました。接合部には錆びは無く、よほど強い圧着で付いていたようです。

 

リム・ハブ・スポーク

 リムはウカイの700C軽合、ハブは600のスモール36H。スポークは#15のダブルバテッドです。さすがに良い物なのか、磨くだけで綺麗になり、錆びも見られませんでした。

 

 フロントハブの玉押しにかなりの虫食いが発生していました。手持ちのデュラの玉押し(左)を入れてみましたがスロープが長くて当たってしまいます。結局、業務用研磨機で全周にわたって研磨をかけました。虫食いが少し残る程度で止めて組みましたが、ゴリゴリ感もなくなり満足行くものに仕上がっています。ボールは当然交換しました。リヤに関しては虫食い無く、グリスアップのみで復活しています。DQN仕様にも関わらず、スポークはいたって正常で、多少の振れ取りと張り調整で仕上がり、リヤのセンターもちゃんと出ていました。

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