ブリヂストン・グランテック

ステム

 ステムはGR-24G、27HともにSAKAEのSR-80(斜臼・突き出し80mm)です。引上げボルトは特製ですが、これが結構便利です。クランプボルトはM8×1.25の30mmで、通常のステムと同じものを使用しています。

 

 GR-27(左)の後期型はSAKAEのCUSTOMの80mmに変わっていますが、SAKAEの製品変化につれて変わったようです。グランテックミニ(GRM203)はNITTOのアップ型ステムですので、ハンドルの回転を妨げないようにスペーサーが入っています。

 

 GRC-26のステムはUp型となり、NITTOのMT-52Tという物になっています。材質は軽合ではなくてCr-Moのため薄く、溶接の痕がなまなましいです。グランテックの証の特製引上げボルトはちゃんと付いていますが肉厚が薄いため特性のCupが付いていました。

 

引き上げボルト

 引き上げボルトは、GR-24・27、GRC-26共に同じ物で、長さは8mm径の部分が188mmありました。このボルトはサカエステムの引き上げボルトと同径ですので、付け替えることが可能です。ちなみに、グランテックミニ(GRM203)も同じヘッドを持ちますが、長さは249mmと長く、ステムの形状より14mmのスペーサーを有します。

 

 締結棒部の先端は出荷時には銀のテープが張ってあって水の浸入を防いでいますが、経年によりはがれている物が多く、錆がついていたりします。構造は内蔵されたスプリングが棒の溝に当たって抜けるのを防いでいるだけの簡単な構造です。たまたま外れたので内部構造が見れましたが、通常はバネを押し下げない限り棒は抜けませんので、お目にかかることは少ないと思います。銀のテープは無くても問題ありませんが、気になる方にはセメダインの「ラピー(銀)」がぴったりでお勧めです。

 

代替部品

 標準では前期がサカエ・SR80(突出し80mm・右)、後期がサカエ・カスタム(突出し80mm・中央)が付いており、引上げボルトはレバーの付いたグランテック特別製です。同じサカエのアペックス(左)と引上げボルトの頭部径は同じですので、交換で入りそうです。

 一般のステム長は150mmの物が多いですが、グランテックは多少長くて180mmあります。そのため引き上げボルトを流用すると下方に30mmほど長く出ます。出る分は問題ありませんが、ねじ山がぎりぎりの所ですので、製品によっては入らない場合も出てきそうです。
 ボルト径は一般が7.0mmに対してグランテックは8.0mmと多少太く、ネジピッチも密になっていますので斜臼の流用は出来ません。頻回に締結しますので、このようになっているのでしょうね。

 

 ピッチが違うので斜臼の流用は出来ませんが、切れ角は同じですので使用には問題ありません(左)。古いステムの中には同じシリーズでもボルト締めとアーレンキ式埋没があります。ボルト締めの方は穴が小さくなっていますのでご注意ください(SAKAI APEX-60 右)。

 

SAKAE SR

 SAKAE SR。純正だけあって、すんなり入ります。SRシリーズの突き出しは50mm〜100mmでしたので、右のような短いステムに変更することも出来ます(SR-50)。

 

SAKAE CUSTOM

 後期型に採用されていたもので、クランプのネジ部が巻き込んでいるのが特徴的です。純正だけあってすんなり入りますが、市販品は150mmの長さなので、注意が必要です。

 

SAKAE APEX

 サカエAPEX-70。サカエSRの上級モデルでアルマイトが綺麗に仕上がっています。引き上げボルトの頭部径はグランテックと同じ12.8mmですので、グランテックの引き上げボルトが入ります(右)。

 

SAKAE SOUL

 SAKAE SOUL。80年代のステムで、SAKAE製品としては最後のほうです。引き上げボルトのサイズはSRと同じですので、問題なく入ります。

 

NITTO

 ステムを作っていたサカエはもう会社がありませんので、現行品での代替は日東くらいのものです。外径22.2mm、クランプ径25.4mmの昔で言うノーマルサイズですので、Pearlシリーズ(左)がぴったりです。またTECHNOMICシリーズ(右)には280mmの製品もありますので、GR-24で長身長の方に良いでしょう。

NITTO Pearl

 ランドナー全盛時代から発売されているNITTO Pearlシリーズです。アルマイトの仕上げも美しく代替にもってこいなのですが、引き上げボルトの頭径は11.9mmと少し小さいためグランテックのボルトは入りません。ただし、ステム径22.2mm×クランプ径25.4mmと同じなので、ボルトにこだわらなければ使用可能です。

 

NITTO Technomic

 NITTO Technomic、Pearlの廉価版として出ていました。廃盤になっていますが流通数が多かったのか、オークションでも時々見かけます。NITTO製品ですが、Pearlと違って引き上げボルト径が12.8mmありますので、グランテックの引き上げボルトが入ります。ただし、ボルト長さが合うかどうかは、確認していません。

 

KALLOY AL-222

 KALLOY AL-222-80。90年代のステムでGRM203と同じくUp型です。頭径は12.2mmと多少小さめですが、ステム本体は大き目の穴があいているため、グランテックの引き上げボルトも入りました。ただ、これはUp型なので、GRM203と同じようなスペーサーを噛まさないと回転できませんでした。

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