グランテック再生計画

 先日オークションで初期型のグランテック24が出ていたので落札したのですが87年製の割には状態が良く、部品もタイヤを含めてすべてオリジナルでしたので、当時の雰囲気を味わおうと改造せずに再生することにしました。

 

 送られてきた直後のグランテックです。ネットでの購入は3枚の写真のみで状態を判断せねばならず、細かな曲がりや交換された部品、ハブやペダルの状態などはわかりませんので、購入するにはかなりリスキーな部分があります。あまりあてには出来ませんが写真での判断の目安として、1)タイヤがパンクしているかどうか、2)ワイヤー類の配置は適正か、3)シートピンのクイックやヘッドパーツのサビの状態(一番初めに錆びる)、4)チェーンの錆びの状態(たいてい錆びているので錆びがなければ状態は良さそう)、などで判断します。オークションの質問欄で細かく聞くことも可能ですが、自分の得たい情報が必ず帰ってくるとは限りません。
 今回のグランテックはヘッドパーツは錆びているものの、ディレーラガードに錆びが無くて状態が良さそうでしたので、予算を多少オーバーしましたが入札に競り勝って落札できました。

 

 さて、肝心の自転車ですが、部品構成は完全オリジナルでタイヤも出荷当時のままのブリヂストン製24*1-1/8をはいていました。20年以上経っているのでタイヤのサイドは劣化していますが山はほぼ残っており、ブレーキシューもほとんど減っていないので、あまり走行していない印象です。ペダルは両方ともガタはなく、トップギヤの減りを見ても100Km程度しか走っていないようです。フロントハブは強く締まっており、フリーはグリスの固着で回転が渋くなっていました。初期型のリムとハブは軽合金製、スポークはステンレスなのでオイルで汚れているものの、錆びも無く状態は良好でした。変速機系、ハンドル、ピラー、ステムなども特に問題なさそうです。どういった経緯でオークションに出てきたかは知る由も無いのですが(購入元はジャンク専門の業者)、あまり乗っておらず、かといって雨ざらしになっていたようにもありません。

 

〜 準備 〜

 再生の基本は1にも2にもまず磨くです。完全に分解して磨き、組み立てながら調整とグリスアップを行い、不良部品や消耗品は交換します。一度に完全分解してから各部を磨き、組み立てるのが一番良いのですが、作業場を確保しにくいのなら各パーツ毎に分解調整を行いましょう。

 

1)磨き

 鉄部品にはMILLION SL-40(右)がよく効きます(リアルアサヒで手に入る)。大型スーパーにも類似品がありますが、多少性能が悪いです。
 アルミ・軽合金部品はアルボン(中)が一番ですが、なかなか売っていません。類似品として東急ハンズでサンライト・アルミコンパウンド(左)を買いましたが、まあまあの性能です。

2)グリス

 DURA-ACE(中)とカンパ(右)のグリスが有名ですが、最近ではFinishLine(左)などからも出ています。
 回転の少ないヘッドパーツには粘調度の高い物を、ハブなど高速回転の部分にはやや柔らかいグリスを使用します。

3)洗浄

 パーツ洗浄には洗油を使用しますが、後かたずけが大変なのでホームセンターで売っているブレーキクリーナーと台所用金網で洗浄します。1本¥300で840ml入ってますので、自転車1台分は十分にあります。

4)工具

 通常のスパナや六角レンチの他に、特殊工具としては、@フリー抜き、ABB抜き締め工具、Bハブスパナ、Cスプロケット外し、Dチェーン切り、EBBロックリング回し、が必要です。振れ取り台、タイヤレバーやワイヤカッタもあると便利です。

 

5)ケミカル

マジックリン
 油汚れを洗浄するのに役立ちます。チェンリングやディレーラ、ペダルなどを気軽に洗えます。

クレポリメイト
 ゴム製品の保守。ブレーキパッドやシフトレバーのゴム、タイヤサイドなどに使用します

Polish 100(BRIDGESTONE)
 ブリジストン製フレーム磨きです。カーワックスよりは、このほうがツヤが出ます。

タイヤワックス
 自動車のタイヤ用でシリコンによるツヤとゴムの劣化を防ぎます。古いタイヤの黒い部分の艶出しに良いです。

ラッカースプレー(ブラックつや消し)
 ホームセンターなどで売っている普及品です。ペダルの塗装にに使います。

Mrメタルカラー(Xクレオスホビー部、¥189)

 東急HANDSで仕入れた金属塗料です。アクリル製の合成樹脂塗料でステンレスとアルミがあります。メッキの剥げた部分などに塗り、ウエスで余分な塗料を拭き落とすと、メッキが剥げて黒くなった部分にのみ塗料が残り、綺麗に仕上がります。ステンレスはやや黒っぽいので、アルミの方が使いやすいです。

タッチペン

 フレームの塗装補修に便利です。色は色々出ていますが、そんなに厳密には合いませんのでアバウトに選んでください。蓋の中に刷毛が内蔵されていますので直ぐに塗れますが、乾くと多少体積が減りますので盛り気味に塗って微細コンパウンドで仕上げると平坦になって綺麗です。ボデイの色よりほんの多少濃い目を選ぶと違和感が少なくなります。

ペイントうすめ液(シンナー)
 パーツクリーナーでは落としにくいBBとヘッドリテーナーの掃除に使います。安くて量が多いのですが、臭いのが難点です。

ボディーペン(クリア)
 鉄部(シートステー部)のさび止め塗装に使います。

ラッカースプレー(ブラックつやあり)
 締結レバーやチェンリングの塗装に使います。

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