isuzu 117クーペ XE★★ Limited Edition

S56-H8.1.15 (〜14万Km)

 初めてのマイカーは、思いっきり趣味車です。これは、還暦近くまでZに乗っていた車好きの親父から貰った物ですが、その親父が以前から欲しがっていたのがこの117クーペでした。当時のイスズは大殿様商売だったので買う機会を逸していたようですが、S56に生産中止が決まったため頭を下げてでも購入したそうです(>オイオイ)。ただ、親父はZに乗ってましたので、母親用の車として購入して私が貰う6年後まで2万キロ程度しか走っていませんでした。就職して通勤に車が必要になったため親がくれたのですが、その後の8年間は改造より、維持するほうへ力を注いだ代物でした。

エンジン(G200W)

 良くできたツインカムエンジンで2年毎にバルブクリアランス調整だけで最後までよく動いてくれました。タイミングベルトはベルトではなくてギヤ仕様でしたので、10万キロ超えても交換調整不要でした。

排ガス規制

 最終型は排ガス規制にかかったため、旧来のエンジンに触媒やらバイパスやらごちゃごちゃつけて規制をクリアしてました。当然G200Wのシステムもあと付けですので「排ガス再燃焼バルブ開閉用バキューム」を外してキャップし、レスポンスUPしてました。車検の時はホースをつなげばOKです。

プラグ

 排ガス再燃焼バキュームを外してからは、あまりくすぶらなくなりました。高価な白金プラグよりも、安価なプラグの頻回交換のほうが性にあっていますので、半年毎で交換していました。B7HSはよくあるタイプなので、4本1000円でした。

パワーステアリング

 117のハンドルは重くて有名でしたが、後期からはボールナットにパワステの組み合わせが登場しました。シャープなステアリングではなくなったらしいですが、操作は実に楽でした。ただ、後から追加した機構なのか、パワステの本体がエンジン右下の最下部に取り付けられており、低速で水溜りに進入するとVベルトが滑って1秒ほど操作不能になります(怖)。解決策としては操作不能になっても良い5Km以下の速度で突っ込むか、エンジン下部へ水がかからない程度の高速度で突っ込むかです。イスズにそのことを伝えても治りませんでしたが、ある時知り合った民間車検工場の社長(俗に言う工場のおやじ)がドライバーを片耳にあててエンジン音を聞き、Vベルトの緩みを言い当てて治しました。さすがです。

ブレーキ

 2年毎のフルイド交換。4年毎のホース交換は欠かさずしてました。ただ、ある車検直後の時、ブレーキの効きが急に甘くなったためイスズに持っていくと、車検時に右後ろのホースの締め付けが緩かったようでホースが外れており、無料で治してくれました。ホース切断ではなく、単なる締め忘れでオイルが漏れたそうです。上り坂のブレーキングで判ったから良いものの、急な下りだったらきつかったと思います。ブレーキタンクは2つに分かれていて、ブレーキシステムはX字状に配置されているとの事でした。

ラジエータ

 結構大きいラジエータを積んでいたのですが、年には勝てず10年目あたりから圧力が上がる夏場にリークしてました。水を継ぎ足しながら走っていて治すかどうか迷ったのですが、新品はないので、中古業者で4万円で治してもらいました。

フロントガラス

 11年目の頃、対向車線から飛んできた石ころに当たってひびが入ってしまいました。岡山イスズではもう部品がないと言われたのですが、神戸イスズなら治るというので持っていきました。なんと中古フロントガラスを貯めて持っていたようで4万円で治してくれました。

油圧計

 最近の車では見かけませんが、油圧計と油温警告灯がついてました。昔は未舗装が多く、砂利道でエンジン下面をこすり、オイルパンからオイルが漏れ出すため油圧計がついていたそうです。一度車検直後に0を示していてびっくりしましたが、ちゃんとエンジン動いていてゲージでもオイルが確認でき、車検で外した時の付け忘れでした。イスズ、しっかりせい。

水温計

 今の車の水温計は不等メモリ(等間隔ではなく、中央部で間隔が狭くなっている。つまり40度くらいで真中少し下まですぐに上昇し、90度になっても真中少し上にしか示さない)ですが、117は等メモリだったそうで、冬場などはオーバークールでなかなか針が真中まで来ませんでした。あまりのオーバークールのため水温バルブの壊れを疑ってイスズに相談しましたが、2回とも異常ないとの事でした。後日に民間車検工場で見てもらったら、やっぱり壊れてまして、交換で見事に治りました。ただ、バルブのネジ山をなめていたとの事で、再ネジ切りを請求されました。イスズで見てもらった時になめたのを放置されたみたいです。なにやっとんじゃ、イスズ。

ラジエータホース

 13年目の冬、出勤途中で坂を登っている時、パワーが落ちると同時に見る見る水温計があがるので、ラジエータパンクを疑って車を寄せると案の定ホースが逝ってました。車検後1W目です。冬でしたし、水を足せばそろりと走れそうでしたが、出勤途中でしたので、いつもの民間工場に電話して引き取ってもらいました。横一線に切れてましたが原因は劣化でした。

117と白山スーパー林道(バックオーライ)
117と千滝(矢部・熊本)。お尻がセクシー
エアコン

 フルオートエアコン装備で快適でしたが、13年目の頃、内気循環にしていてもトンネルやトラックの後ろで排気ガスの臭いがすることがありました。イスズに持っていって見てもらったのですが詳しいマニュアルがなく、整備士も分解方法が判らず困っていましたところ、事務の奥からかなりの年配の方が出てこられて、「この車では昔から良くありましたよ。助手席の下にある外気取り入れ口の開閉にスプリングを使っているのですが、これがまたよく外れるのですわ。分解すると大事になるので、ちょっと見せてみなさい」と言って助手席の下に潜り、ドンドンどついていましたが、ものの5分で治りました。回りで見ていた整備士もあぜんとしていました。この頃から、本家イスズでも、もう修理は無理っぽいなと感じ始めていました。

ジェネレータとバッテリー

 古い車ですので、バッテリーは40Aの物、今で言えば1200-1600クラスの物がついていました。ジェネレータも古くなると発電効率が落ち、MAXでも11Vまでしかなく充電不足になるため、使い捨て感覚で2年毎に交換です。38Lはホームセンターなどで三千円以下で安売りしているため、ほいほい交換してました。充電不足はあまり問題なかったですが、ハイビーム(117は4灯同時点灯で明るいのだが)では発電容量を上回っているのか、十数分点灯していてブレーキ踏むと、ブレーキランプにも電気を食われて点灯が暗くなります(怖)。よってハイビームにするのは高速走行時かパッシングする時くらいにしておかないとバッテリーが逝く可能性があり、夜間ワインディングではライトに頼らない走行に慣れてしまいました って>オイオイ。

スターター

 バッテリーが弱いのと、いつの頃からかスタートギヤが1枚欠けていたので、スタートにはコツがありました。また、オートチョークですが今のFULL電子に比べると性能が悪く、冬場の始動には特にコツがいりました。キーでスタートした時「キュキュキュキュキュッ」とキュの5回目にアクセルを全開で踏みます。これ以上回すとバッテリーがへたってスターターが止まるか、発火しないかです。

タイヤ

 185/70と言う発売当時では太目のタイヤを履いていますが、乗っていた頃は65や60が主流でしたので70タイヤは安く仕入れられました。ある時グランプリM3と言うのを履いたのですが、コーナリング性能は大して変わらないものの、くぼみが出来ている直線道ではハンドルを取られるため、角刈りタイヤでない物に変えました。そんなにシビアな足回りではなかったので、ノーマルで十分でした。

ハーネス

 車を貰う6年目の頃にバッテリー上がりが目立ったため、イスズにもって行くと、ハーネス交換で治りました。どの程度交換したかは知らないのですが3〜4万程度で治ったと思います。だいたい10年未満で電装系はやられるので、替えたほうがいいとのことでした。

内装

 親父は生産中止後に購入したため、いわゆる売れ残りを買っていました。この車はLimitedEditionで白の車体にワインレッドの皮内装と言う豪華な物で、親父が乗っていたZより高かったそうです。さすがに皮仕様で手入れが行き届いていたため14年後に売り渡すまで日焼け程度しかしませんでした。また、冬場によく発生する静電気も起こらず、他人の車に乗ってうっかりパチパチ君を食らうことがよくありました。次の車もぜひ皮仕様と思いましたが、値段の関係で断念してしまいました(−−)。

117と十方山林道(広島)。似合わね〜
117と路泊(阿蘇山)
ダンパー

 前輪はダブルウイッシュボーン式のコイルでしたが、リヤは板バネと言う構成で、貨車といっしょでした。板バネなのでスプリングハウジングがなく、後席はすっきりしていました。ただ、ダンパーはへたって来ましたので、9年目くらいの時に「KONI」に交換しました。この頃はまだ117クーペ用の物を入手できましたが、よく考えれば不良在庫だったのかも知れませんね。4本で2万円とやたら安かったです。

ヘッドライトウオッシャ

 フロントバンパーに、水流によるヘッドライトウオッシャがついていました。この機能、連続で30秒程度しか使えなく、ホース内の石鹸の固着を防ぐため定期的に出している程度でした。一度だけ、夜間・未舗装道路でトラックの後ろについた時、使用して効果がありました。今の車では見かけないですね。

オーディオ

 カセットつきFMAMラジオで押しボタン式6局プリセットが出来るという、当時では豪華仕様でしたが、貰った頃はアンティーク物でした。DINではなかったためパネル自作して無理やり1DINのアルパインをステーでねじ込みました。スピーカ配線もアースは車体と言うものでしたので、内装はがして引きなおしました。Fスピーカはドアの横に付いていましたが、取り付け余裕がなかったためPIONEERの薄型のステーを削って入れ、リヤは据え置き型をなんとか入れました。配線に慣れたおかげで後にはCDチェンジャーをいち早く導入し快適でした。

速度警告装置

 俗に言う「チンカン」です。100Km超えると警告チンカンが作動するので、切ってしまいました。イスズでパーツリストを見せてもらって大体の見当をつけ、メータパネルの裏側で下からもぐって切断したように思います。

レーダー警告装置

 必須アイテムでしたので、速攻でつけました。ただバイザーに引っ掛けるのは配線や、見た目も悪いため分離型のものを買い、フロントグリルの後ろにつけて本体はハンドル下にキースイッチ連動で付けました。低い位置に受信機がついている為、前に車がいる状態では警告音が鳴りにくく、不要な時に鳴らなくて重宝してましたし、何回か難を逃れて元は十分取れました。一度は山奥の民家もない真っ暗なダム沿いの国道で夜8時ごろ激しく鳴り、スピードを落としたところ取締りをしていて難を逃れました。レーダー様々でしたね。

昭和の車が揃い踏み
117でオートキャンプ(笑)

 限定版だったためか、この車には銀製のメモリアルキーが付属していました。売り渡す時に一緒に渡しても良かったのですが、売却先の業者は感じのよい業者ではなかったので複製キーだけ渡してメインとサブキーとともに保管しています。メインキーは四角い方でサブキーは三角形の方。サブキーは駐車係などに渡す用で、ダッシュボードとトランクが開かない様になっていたと思います。ただ、トランクは電磁ロックで開くようにもなっていましたのでキーの役目としては不十分ですが、昔からの仕様だったのでしょうね。

 学生時代は車なんぞ買って維持する財力がなかったため、就職して初めてのマイカーは屋外駐車場ながら、カバーをかけ、雨上がりはカバーを外してカバーを陰干ししてから掛け直すなど大切にしていました。通勤以外では、キャンプに登山のアクセスに帰省にフル活用で思い出の一杯詰まった車でしたが、結婚して嫁の車を廃車し、私は単車通勤になってから嫁より新車購入の圧力があって、やむなく手放しました。あまりに大切にしていたので、嫁の実家で保存しようとの話もありましたが、車検の維持費やら、保存場所の問題、それに古い機械は面倒見なくなると急速に朽ちていきますので、引き取り手のあるうちに次の人に乗ってもらおうと、整備記録ごと中古業者に売りました。売価は車検間際で足元見られたのか3万円でしたが、まあ次の人に可愛がってもらえるならいいかなと思って納得しました。ドナドナの気分ですね。一カ月後こっそり見に行ったら70万で売ってまして、数ヵ月後に前を通りかかって見たときにはナンバー付いて綺麗にされていました。大事にしてもらえよと娘を嫁に出した気分でしたね。

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