国鉄時代の「普通手回り品切符」

 その昔、自転車を分解して電車で運ぶためには、各地のサイクリング協会に入会した上に、専用の袋(輪行袋ですね)に入れ、各列車毎に普通手回り品切符を購入することとなっていました。列車毎なので、2回乗り換えれば3枚の手回り品切符を購入することになり出費が大変でしたが、いつの頃からか、「列車毎」が有名無実化し、協会の手帳も不要(券購入時に呈示を求められない)になりました。最近では持込が無料になり、手軽に輪行出来るようになりましたが、利用者が増えた分だけ問題も出てきているようですね。

 手回り品切符は回収されにくかったせいか、輪行袋に多数ぶら下がっていましたが、じゃまになって取っておいたものが今ごろ出てきました。ここでは輪行時の思い出などをつけて公開しています。

宝塚駅 S52.3.14

 高校の春休みに篠山口まで輪行した時のもの。当時の福知山線は単線非電化だったので、大阪から乗らずに宝塚から乗車しました。DF50?に引かれているオハフ33系の客車の最後尾で景色眺めていたのが、今でも思い出されます。

日光駅 S54.8.10

 初の夏ツアー帰り道のものです。ほぼ一カ月かけて日光にたどり着いたのですが、体力的には限界に近く、3人とも食事の量が減ってしまってました。日光から急行で上野に出て、東海道線名物、大垣行き夜行普通で帰ってきました。くしくも帰省と重なったため、115系の普通電車は乗車率120%程度の混雑ぶりでした。

岡山駅

S54〜S58にかけて、ツアーの出発点となった所です。100円〜150円〜200円と順次値上げされてますね。

東岡山駅 S55.3.3

当時岡山駅の次の駅だった東岡山駅。帰省で自転車を持って帰ったのですが、距離の関係で安くなるため隣駅まで走っていったものと思います。

瀬野駅 S55.3.31

広島電気通信大学主管の、中国ブロックラリーへ参加した帰りのものです。春のラリーはまだ寒く、テントより公民館主体のラリーでしたが広島の山奥には雪が残っており、1回生で参加の身にとっては厳しいラリーでした。

松江駅 S55.7.17

 夏合宿の解散後、城崎から出雲大社、松江へと走った帰りです。所持金がつきかけたため、実家に電話して太陽神戸銀行に振り込んでもらったまでは良かったのですが、松江には支店がなく、今と違ってカードの提携もありませんので、いきなりピンチです。走って岡山まで帰ることも考えましたが、明後日はツアーの出発日ですので、普通切符を買って残り75円。普通を乗り継ぎ、最終で岡山までたどり着けましたが、食事は昼に食べたうどんが最後・・。岡山に帰ってから速攻で友人に金を借り、お好み焼き食べた思い出があります。(松江-岡山直通は「やくも」のみなので、普通切符のみとセットで買いました)

富士宮駅 S55.8.7

 2回生夏のツアー帰りのもの。高山から始まって野麦峠、上高地、霧が峰、野辺山などを回り、甲府から富士宮まで下って最後に富士山登山で終わったツアーです。3回生を排した1,2回生だけのツアーは非常に自由で、計画変更しまくりのツアーでした。

伊予大洲駅 S55.8.22

 夏のツアー後のソロツアー帰り。岡山を出て、高知、四国カルストとまわったこのソロツアーでは、とんでもない体験を一杯しましたが、それは別の項で。本当は宇和島まで走る予定でしたが四国カルストの下りで転倒し、かなりの出血をしたため予定変更して伊予大洲までたどり着いたものの、足が腫れて走行不能になり輪行で帰りました。ちなみに宇高連絡船の長い桟橋競争に勝てず、帰りはずっと立ちっぱなしでした。

早岐駅 S56.3.18

 九州春合宿を宇土で解散後、一人で長崎-西海橋へと走った帰りです。長崎ではあてにしていた先輩の家には泊まれず、寒さの中で長崎大学サイクリング部室に泊めてもらったものの、体調を崩してしまいました。なんとか西海橋にはたどり着きましたが平戸島までは行けず、力尽きて早岐で終了でした。

芦屋駅 S56.7.21/7.31

10日間で22枚出ていますので、手回り品切符って結構需要あったのですね。

熱海駅 S56.7.25

 夏合宿の後、姉と伊豆大島へ輪行した時の帰りです。3回生は1.2回生をつれてツアーするしきたりでしたが、昨年1.2回生だけでツアーして良好だったため、今年は1.2回生にツアーをまかせ、自分は家族ツアーにしました。

宝達駅 S57.7.18

 北陸ソロツアーの帰りです。4サイドにフル装備をつけて、舞鶴-敦賀-高倉峠-郡上八幡-白川郷-能登半島と走り切りました。4サイドフル装備では自転車入れた総重量が50Kg程度あり、パッソルにペダルをつけてこいでいるようなもので、福井-岐阜県境を越える林道ではタイヤが砂利に沈んでしまいました。帰りは金沢から急行「立山」に乗りましたが、がらがらでしたね。

小川駅 S58.3.20

 九州春合宿の打ち上げに合流した後、後輩と3人で、屋久島・種子島へツアーした時のものです。宇土で打ち上げ後、鹿児島向けて走り始めたのですが、前日の打ち上げがハードだったため、たいして走行せずに小川駅から鹿児島まで輪行です。鹿児島で鹿児島大学の寮に泊まった後、鹿児島港から、屋久島、そして種子島へ自転車持ち込みました。屋久島・種子島間はフェリーと言っても汽船程度の物でしたので、太平洋の大波に揺られて実に豪快でした。種子島からの帰りには低気圧接近にも関わらず、フェリーが出航を強行したため、これまた大変面白い体験をいたしました。この話も別項でさせていただきます。

米原駅 S58.8.1

 夏のソロツアー途中輪行です。湖南を走って信州に向かっていたのですが、暑い最中、信州までの自走には無理があり、途中で中津川まで輪行してしまいました。やっぱり信州は夏でも涼しいですね。

沼津駅 S58.8.21

 夏のソロツアーの後、ラリーに参加しての帰りです。月夜沢峠を超えて松本から甲府まで南下したまでは良かったのですが、富士五湖で台風に遭遇して川は決壊するわ、集中豪雨で御坂峠は通行止めになるわで大変でした。ラリー参加者も半減し大幅な見直しをされましたが、2日目からは快晴で十国峠まで登りました。打ち上げ後は皆で沼津駅から「青春18切符」で輪行ですが、最長は山口大学で、到着は夜の11時とのことでした。

隠岐汽船 S58.9.24

 秋分の日の連休を使用して隠岐へ行った時のもの。岡山を夕方に出て最終の普通で境港に着いたのが午後11時。そこから10Km程走って七類に行き、フェリー乗り場でお休みです。次の日は午前5時発のフェリーに乗って島後へ行きました。フェリーと言っても乗ってる車は郵便車ぐらいですが、客室は釣り客で盛況でした。ただ、夜の境港-七類は真っ暗で自転車のライト程度での走行はきつかったです。

いつの頃のかは忘れましたが、関西の私鉄もしっかり「手回り品切符」を取ってました。でも、阪神電車はなかったような気がするのですが・・・・。

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