ボトムブラケット(BB)

 大学時代はスギノ、シマノ、サカエなどの国産クランクメーカがあり、それに対応するBBも出ていて、それらは結構互換性があったと思います。クラブを卒部して早20年が経った現在では、BBもシールドからオクタリンクへと移行し、四角錘のBBシャフトなんて風前の灯ですね。

 

BBシャフト

スギノ

プロダイ
 プロダイ用のBBで当時のTAやストロングライトと互換性を持たせたものです。他のBBに比べて左の突き出しが少ないので、他のBBを使用すると左が極端に外へ出ていました。BB幅68mmと70mmの2種類が出ており、ダブル用はPW-68・70、トリプル用はPT-68・70とBBに記されています。後に出たプロダイリミティッドへは仕様が違いますので使用できません。

マイティ系
 マイティコンペやマイティツアー用のBBで、旧カンパ、サカエロイヤルなどにも合うそうです。プロダイと同じく68mm、70mmが出ていましたが、シングルは68mmのみでした。記載もプロダイと同じく、シングルMS-68、ダブルMW-68・70、トリプルMT-68・70となっています。なお、ISO規格ですので、JIS規格クランクは使用しないほうが無難です。現在市販のISO-BBはスギノ75があります。
 

D1、D3、ChainLine(C.L.)の値を上に示します。D2は「68」シリーズが52.0mm、「70」シリーズが54.0mmです。「70」はD2が2mm増加しているものの全長は同じなので、D1、D3とも1mmずつ短くなっています。

 

マキシィ
 マキシィ、マジーなどで、よくお世話になったBBです。68mmと70mmがあり、68mmは先頭に「3」、70mmは先頭に「5」の文字が付きます。長さはシングル-S、ダブル-T、トリプル-U、ホワード-R、さらに長い「M」や左の突き出しが短い-SS.H.L.P なども存在します。Boron鋼のナット形式が一般的ですが、後年にはCr-Mo鋼のボルト形式も出ていました。

 

 Boron鋼ナットタイプのBBで、ボルトとBBが一体化しています。D3は32.0と35.0の2種類あり、マキシィは35.0の方を使用します。3Tや3Uはレストアしていてよく見かけるBBです。

 Cr-Mo鋼ボルトタイプの上級BBです。D3は32.0が主流ですが、36.0や42.0など長いものも存在します。プロダイリミティッドには120.0mmの3N-Bが付いてきました。

 BB幅が70mmの「5」シリーズで5N-B以外はすべてナットタイプです。BB幅は68mでも70mmでもチェンラインが変わらなければ長さは変わらないはずで、プロダイやマイティ系では法則どおりなのですが、マキシィ系では同じ型番でも70mmになれば長さが3.0mm長くなっています。またD2のみ3.0mm増加して55.0mmとなるも、D1・D3は同じなため実際には左右に1.5mmずつ長くなっています。

  

スーパーマキシィ

 マキシィの上位機種として出たスーパーマキシィ用のBBです。68mmと70mmがあり、Cr-Mo鋼製でボルト止めでした。刻印も「Maxy」とBB幅、そしてダブル(W)、トリプル(T)の印がある親切設計です。

サカエ

 ロイヤルは別系統ですが、SuperApexシリーズとApexシリーズはBBを共用できます。SuperApexシリーズはCr-Mo製の高級ボルト止めで、記号先頭に「D-」が付きます。Apexシリーズはナット止めの普及品で各種サイズが出ていました。BB幅はSUGINOと同じく68mmと70mmがあり、68mmのD2は52.0mmで表示に「3」が、70mmはD2:55.0mmで表示に「5」の数字が付いています。

 

ロイヤル

 フラッグシップモデルで、初期の頃から販売されており、軽量化したESLなども出ていました。テーパーはJISではなく、旧カンパや初代シュパーブなどと同じISOです。

SuperApex
CL1:SAX-5RG CL2:SAX-5TG・3TG

 SuperApexは70年代後半に出てきたクランクで、クランクとアームが一体化形成された高級品でした。PCDは2種類あり、118mmの独自PCDを持つロード用のRGと、ストロングライト互換の86mmを持つ5TG、その3アーム版でカスタム−3の後継に当たる86mmの3TGの3機種が出ていました。その後ロイヤルの流れを汲むPCD144mmのLAが出ましたが、その頃に3ア−ムの3TGは姿を消しています。BBはボルトタイプの上級品で、先頭に「D-」のNoが付いていました。

 

Aerox・SuperCustom
Double:D-3L,D-3A,D-3P,D-5L,D-5P
Triple:D-3SS,D-3T,D-3U,D-5SP

 SuperApexの後継機としてエアロダイナミックスタイルのAeroxが出ましたが、先にエアロ化で出ていたCustomはSuperCustomと名前を変えて出ています。どちらも一体化形成で、SuperApexと同じくLA、RG、TG、3種類のPCDクランクが出ていました。BBは少し種類が増えて、チェンラインも0.5mmほど大きくなっています。

 

Apex
CL1:AX-5LA・5MA・3FA CL2:AX-5RG

 SuperApexの普及版で、クランクとアームは勘合でした。BBもそれに伴ってナットタイプの普及版になっています。PCDは144mmのLA、デュラエース互換130mmのMA、独自規格118mmのRG、BNA互換106mmで3アームのFAが出ており、チェンラインは少しずつ違っていました。

 

NewApex・Custom

 Apexの後継機種で勘合クランクですが、ご時世に添ってエアロダイナミックスタイルと言う、丸みを帯びたデザインになっています。PCDは、LA(144)、RG(118)の2種類になり、インナーリングのみ交換可能のSD(118)も出ていました。BBはナットタイプの普及版で、Apex時代より種類が増えています。また、ワンも3種類出ていて、ワンによっても0.5mm程度チェンラインが変化したりします。CustomはNewApexのさらなる普及タイプでLA・RG・SDとTGタイプでインナーのみ交換可能な5TSD(86)も出ていました。なお、Apex時代にSuperCustomの前身となる一体化形成のCustomクランク(正確にはCustom-3)がで出ていますので、Customは2グレード存在することになります。

  

タンゲ

 タンゲも昔は四角錐BBシャフトを出していましたが、対応クランクは不明です。長さは125mm以上の長めのシャフトで、詳細なデータが載っていましたので掲載しました。球当り面(F)は5R、テーパー(G)は2°で他社と共通のようですが、「F、K」はテーパー3°で長さも130mm以上と、かなり特殊なようです。

 

 BBもシールドベアリングへ移行して、四角錘最後の頃の製品です。68mm幅の3シリーズのみになっていますが、全長の短い種類が増えています。この頃のD1は32.0mmが主流でしたので、その製品群がラインアップしたのでしょう。以後、タンゲはシールドBBのみになってしまいました。

 

 ここまででお気づきのことと思いますが、スギノ、サカエ、タンゲとも似通った記号が使われています。実はJISテーパーの記号は、緩やかに規定されているようです。緩やかというのは、時々イレギュラーが出ているという意味で、各社の事情があるのでしょう。
 以下に記号と規定値を示しておきます。なお、「3」はBB幅68mmでD2は52.0mm、「5」は70mmでD2は55.0mm、「7」は73mmでD2は57.0mmになっています。


 3本共、127.5mmの「3U」です。一番上はSHIMANO製で記号は「3UBO」、Net特価¥700でした。真中はBSグランテック24・27純正品で記号は「MTBS503」と裏面に「Bo 3U」。一番下はY.M.T.(山本製作所)製で記号は「Y.M.T. 3U Boron」でオークション特価\850。3本とも同一規格品のようです。山本製作所は今でも一般車のBBやヘッドパーツを作っているようですが、SHIMANOは何時の時代の製品かは不明でした。ただ、記号が合えば代替可能と言うのは、レストアする者とって大変有り難いものです。

 

シマノ

 シマノは70年代初頭よりデュラエースを出しており、デュラ専用のシャフトとワンをセットで出していました。ツーリングはTourny、Titlistときて、600でダブルとトリプルの専用シャフトが出ました。これらのD2は56mmと長く、スギノやサカエの52mm標準より4mm広いのでワンも専用の物を使用します。シャフトには「Shimano600、68=W=120.4」などのマークが記載されています。

 

GB-210のD2は確認取れないので「68」で表記

 70年代最後の頃にEXシリーズが出て、クランクと共にシャフトも一新されました。新シリーズのD2は標準の52mmとなり600や下位シリーズの105にはJIS準拠の記号が記載されています。シャフト記載は「Shimano、68=W=116、D-3L」となっており、52mmを明示する<52>のマークが在るのもあります。

 

 このままシールドBBへ移行するかに見えましたが、74デュラ用のBB-7400はD2が2mm縮小して50mmとなりました。シャフト記載は「SHIMANO DURA-ACE 68---W BB-7400」。この次のBB-7410はシールドBBとなり、オクタリンクへと進んでいきましたので、カップアンドコーンの上位機種BBは、このBB-7400が最後となります。74デュラは特殊と言いますが、規格外品が多いですね。

 

 DuraAceはシールドBBへと進んでいきましたが、Ultegra以下の下位機種にはまだ四角錘BBが設定されていました。すべて調べたわけではありませんが、D-3AやD-3NLのD2は50mmとなっており、このシリーズのD2は50mmではないかと思われます。

 

コッタードシャフト(タンゲ)

 1982年のタンゲのカタログに載っていました。コッタードクランクなんて実用車くらいしか知りませんので、色々出ていたのですね。長さがインチ表示だったり、センター長が4種類あったりとカオスですね。

 

TA

 旧プロダイとコンパチと言われるBBで、現在でも入手可能です。シングルの314、ダブルの344、トリプルの373,374の4種類ありますが、シャフト長から言うと、PW-68は344と373の中間、PT-68は374とほぼ同じです。D3は4種類とも29.5mmで、プロダイと同じく30mmを切る短さです。D1は33.0mm(344)、36.5mm(373)、40.0mm(374)となっており、PW-68は373に近く、PT-68は374とほぼ同じです。最近ではBBシャフトのみの販売を中止したそうで、ワンとセットでの購入だそうです。

 

Stronglight

 AXE 34はコッタードクランク用で、フレンチとイングリッシュで軸の太さが違うなんて話もあったそうです。32C〜97/TR1まではコッタレスクランクで、Type49と57クランク用です。32CはType49のみのシングル、32R・97はダブル、TR1はトリプル用だそうです。このBBのD3は30.0mmと短く、旧プロダイ互換性ありと言われた物ではないでしょうか。AXE 65は105クランクが出ている頃の物で、D3も32.25と少し長くなっていました。(D2値はすべて52mmとして計算しています)

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