デュラエース 7400シリーズ

ブレーキレバー

BL-7400

 ブレーキレバーは初代より出ていましたが、この7400がワイヤー上だしレバーの最後になります。7400のレバーはそれまでと比べて中間部が膨らんだ形をしていて持ちやすく、私には良好な形状でした。パット見で7401・7402と似ていますが、レバー基部にワイヤー用の割れが見えたら7400ですね。

 レバーブーツは黒と茶色があるそうですが、茶色は滅多に見かけませんでした。問題はどのレバーにも言える事ですが、専用品が多いため痛みやすい割には汎用性が低く、販売中止後はすぐに入手困難になることです。ゴム製品なので保存性も悪く、レストアや長期使用者には避けがたい問題ですね。

BL-7401

 ワイヤーを中通しとしてエアロ化したものです。レバー形状は7400に似ていますが、ほとんど別物で、共用部品はクランプバンドくらいです。レバーブーツは黒・茶に加えて白もでていますね。

 

BL-7402

 エアロ化した7401にリターンスプリングを入れてSLR化(SLR:Shimano Linear Response)したものです。7401に形は似ていますが部品はほぼ別物で、共用部品は7400と同じくクランプバンド程度です。ワイヤーを通しやすくするためブラケットキャップ(左右別物)が新設されていますし、ブラケットカバーも似ていますが、キャップとの勘合部が出来ています。

 

ブラケットキャップ

 7402から新設されたブラケットキャップですが、穴の位置により左右違います。穴の位置は左右共内側よりで本体の穴と一致させます。ブラケットカバーもキャップと勘合があり、左右違います。

 ブラケットカバーについてはNet情報ですが、BL-6403/BL-R600 BracketCover(Y87F98010) を細工すれば入るそうです。ただし、ピッタリではなく、内部の出っ張ているゴムも切断するそうですが、使えなくは無いそうです。

ブレーキ本体

BR-7400

 デュラエースとしては、最後のシングルピボットブレーキとなりました。本当はSLR搭載した次の7402が最終ですが、これは7400のアーチワイヤを弱めただけの姉妹機種なので、これが最後と言ってよいでしょう。ただ、7403はデュアルピボットになり大幅に性能が上がりましたので、古い7400を使用する意味はノスタルジックな意味合いしかないのでしょうね。

 先代の72系からはかなり変わってすっきりした形になりましたので、共通部品はほぼありません。BL-7400(上出し)、BL-7401(エアロ)のレバーに対応します。

 

Short 49 Type

 7400系のアーチサイズはすべて39mm〜49mm(A-A')のショートタイプです。このサイズはダイアコンペでは400系(38mm〜48mm)に相当し、ロード専用と言っても良いサイズです(このサイズではタイヤとのクリアランスが狭く、通常では泥除けは付きません)。

BR-7402

 リターンスプリングがSLR対応になって変わったのと、それに伴って本体の品番が変わっていますが、小物類はほぼ同じ物を使用しています。BL-7402レバーに対応するブレーキなので、7401を飛ばして7402になったのでしょうね。これがデュラエース最後のシングルピボットになります。

 

BR-7403

 デュラエース初のデュアルピボットブレーキで、当然SLRです。レバーはデュアルコントロールのST-7400レバーのみ使用するように書かれていますが、巷の話では引き代が多少違う程度で、使用可能だろうと言う事です。まあ、SLRはレバーにリターンスプリング仕込むことでアーチスプリングを弱くしただけなので、ブレーキタッチが変化する程度で、BL-7402などのレバーも使用できるんじゃないでしょうか(予想)。

 7402と同じ部品は小物程度で、ほぼ新製品ですが機構が変化しているので当然と言えば当然ですね。ピボットシャフトも違っています。

 

ブレーキシュー

 ブレーキシューは「DURA-ACE PROFILE 50」と言う専用品で、シューのみ交換が出来ました。交換できるのは良いのですがとっくの昔に廃版で、現在販売中のシューは長さも形状も違うので使用できません。そこで、現行の組立て品を使うのですが、SHIMANOから何種類か販売されています。

 

BR-6403(左):シマノが推奨する7400の後継機種で普及品。シュー銘柄不明、シュー交換不可。
BR-6800(中):ULTEGRAグレード。シューはR55Cシリーズで、最新はR55C4。
BR-4600(右);Tiagraグレード。シューはR50Tシリーズで、シュー交換不可

 

 取付け面と摺動面の長さはBR-7400が18.0mmなのに対して現行型はどれも15mmと短くなっています。どのタイプも取り付け可能ですが、取り付けると左右で6mmほど短くなるためワイヤーを張って調節します。

 

 シューの固定は、シューから出ているボルトの受け部(矢印・外径4.6mm)がブレーキ本体に勘合することで固定されます。現行型は高さが3mm減りますので3mmのワッシャーを噛ませば良さそうですが、ワッシャーを噛ますとシューの勘合部が覆われてしまい、ブレーキ本体とはボルトでしか接さなくなるので使用できません。

 

 BR-6700とBR-7400のパーツです。ボルトはM5×0.8と同じで、ボルト受け部の外径も共に4.6mmなのでブレーキ本体との勘合には問題ありません。ただ、技術の革新と軽量化によりブレーキ本体勘合部の厚みが薄くなったようで、それに伴ってボルト受け部の長さも短くなったようです。勘合部を短くして大丈夫なのかと思いますが、問題起って無さそうなのでこれでも良いのでしょう。また、現行型は受け部の基部を半球状にすることで、3Dの調節が可能となっています。

 

 シマノ公式の代替品はBR-6403で、BR-6800系は推奨しないどころか使用不可だそうです。最高級のDuraAceに何故旧式の普及品であるBR-6403を推奨するのか公式に聞いても答えてくれないので、ここからは推測です。
 BR-6403の実物を持っていないので画像からの判断ですが、このシューには出っ張りのあるボルト受け部が無くナット埋め込みで、ブレーキ本体とは4.6mm径の締付ボルトで接しているのではないかと思います。これなら勘合には問題なさそうですが、Net情報によるとボルトの長さが短く、勘合部が厚いBR-7400に付けるとネジのかかりが短いそうです。

 R55C4とR50T2の性能です。どちらを使うかは値段との相談ですが、替えゴムは\1,000もしませんので悩む必要もなさそうです。

 

 結局R55C4を入れるのですが、何種類か出ています。最高峰のDura-Ace(BR-9100)は\3,000オーバーに対して、上級品のULTEGRA(BR-6800)は千円後半、普及品の105(BR-5800)は千円前半となっていますが、違いはグラム単位の軽量(BR-9100)や、固定ボルトが6角ボルト(BR-6800)程度で、効きは同じです。それよりモデルによって色がブラックからグレー・シルバーと色々ありますので、好みの色で選んだ方が良さそうです。

 

 BR-7400にBR-6700のシューを入れると、効きはかなり良くなりました。ただ、シューの高さが低いので、正面から見るとブレーキアーチが並行ではなく下すぼみのV字になるのが多少情けないですね。まあ、効きが良いに越したことはありませんが。

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