チェーンライン

 チェーンラインとはフロントギヤのセンターと、リヤスプロケットの中心を結ぶ線のことで、このラインがフレームセンターと平行なのが理想です。オーバーロックナット寸法が広がった最近の多段フリーハブでは振れ幅が大きいので、チェンラインはリヤスプロケットの中心に設定されていますが、5段変速の旧車ではラインの振れ幅が小さいので使用頻度が高いトップギヤよりに設定されたりしています。シマノでの推奨値はロード車の2段では43.5mm、3段は45.0mmそしてMTBは47.5mmまたは50mmですが、古いランドナーなどではかなりばらつきがあるようです。まあ、2〜3mm程度狂っても問題なければ気にしないのですが、歯の片減りやチェン脱落、フロントの変速不良などが出てくると対策が必要になります。

 

フロントチェーンラインの測定

 シングルギヤやトリプルギヤの場合は、左のようにシートチューブの幅を「A」、センターチェーンリングからシートチューブ内側までを「B」として、BにAの1/2を加えたものがチェーンラインとなります。たいていの旧車シートチューブ径は28.6mmなので、「B」だけ測ればチェーンラインが出ます。
 ダブルギヤの場合は歯の中間が測りにくいので、右のようにアウターチェーンリングの外側とシートチューブの外側までの距離を「C」、インナーチェーンリング内側からシートチューブ内側までの距離を「D」として、CとDをたして2で割るとチェーンラインが出ます。

 

リヤチェーンラインの測定

 リヤチェーンラインは、5,7段など奇数のスプロケットではスプロケットの中間の歯と、フレームセンターの間、6,8段など偶数のスプロケットでは、スプロケットの中間部とフレームセンターとの間となります。
 左のように歯のセンターとハブナット外側までの距離「A」が測れれば、オーバーロックナット寸法(O.L.D)の半分から「A」を引いた値がリヤチェーンラインです。
 偶数のスプロケットや直接測りにくい場合は、右のように、Top歯の外側と、ハブナット外側までの値「T」、スプロケットの幅「B」を測って、(O.L.D.-B)/2-Tの計算でチェーンラインが求められます。

 

 GR-27におけるチェーンラインの例です。BBはそのままでクランクのみを交換したため、チェーンラインが3mmほど外側へ移動しています。そのため、Top側(上)ではチェーンのたわみが少なく、Low側(下)で撓みが強くなっています。実際の走行では、最Lowで走行中にTop側へチェーンの落ち込みが起こりました。

 完成車では計算されているので問題ありませんが、レストアや改造で違ったパーツを使用する場合にはチェーンラインを考慮する必要が出てきます。以下ではチェーンラインの決定要素についてみてみます。


フロントチェーンライン

 1)クランクの問題(シングル〜トリプルギヤ、クランクの形状など)

 2)BBシャフトの問題(テーパーの長さ、広さ、太さ、左右突き出し長など)

リヤチェーンライン

 3)リヤハブの問題(ボスフリーが止まる位置)

 4)ボスフリーの問題(5〜7速、ウルトラかレギュラーか)

総合的に見て

 5)フレームの問題(BB幅、リヤセンター距離、OLDの長さなど)

 6)実例での考察

 問題点の対処法

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