ボスフリー本体

サンツアー

 シマノと並ぶ、国産ボスフリーの老舗です。ボスフリー自体の厚みは26mm〜33mmで、O.L.D.120mmに入るのは26mmのみ(一部29mmが入る)、O.L.D.126mmエンドは31mm(同33mm)までと思われます。126mm以上あれば当分フリーに困らないでしょうが、26mmボスはもう生産していないので120mmエンドのレストアは厳しくなっています台湾のSUNRACEからDIA-COMPE銘柄で5段フリーが出たようです。

  

Perfect5R 6U 6R Pro6U NWN WN α6R AP7U
26 29 31 28 30 30 31 33 (mm)
1 r r r r E,S,U E G G
2 r r r r X,T,L C(r) C C
3 A A A A T,R B(r) B B
4 A A A A A,R B(r) B B
5 A A A A A,R A A B
6 A A A A A A A
7 A A
2 2 2 2 2 4 4 4 (爪)

NWM(NewWinner) WN(新型Winner) R(Reguler) U(Ultra)
ただし、新型Winnerの中には4段までネジが切ってあるものもある
r,TypeE,S:39mm G:40mm r,T,R:44mmネジ、A:52mmスプライン4爪、B:15爪短、C:15爪長

Perfect 5段レギュラー

80年代を代表する普及品です。レギュラー5段のため厚みが26mmと小さく、120mm幅のエンドにも問題なく入ります。歯は鉄色で、14T〜34Tまでありました。

Perfect 6段ウルトラ

ウルトラ6段用で厚みも29mmと増えていますが、エンドの形状によっては120mm幅でも入るものがあるようです。ボス本体の設計は5段レギュラーと同じですので、トップの部分だけ多少長くなっています。

Perfect 6段レギュラー

126mm幅エンド用に開発された6段のレギュラーサイズです。その後ウルトラチェーンの出現により廃盤となりました。5段レギュラーを元にしているので、トップ側がフリー蓋より顕著に飛び出ています

Pro-Compe 6段ウルトラ

Perfectの上位機種として古くからあり、歯はオロ仕上げの物もありました。中の設計がPerfectと違うのかどうかは不明ですが、本体の切れ込みはPerfectに比べて、つるっとしています。スペーサー変更で、5段レギュラーでも使えたと思います。

NewWinner 5段レギュラー

サンツアーの最上位機種です。この機種はトップのみ38mmネジでしたので13Tが使えました。玉押しの蓋も独特の形状で微調整が可能だったと思います。ただし4段までネジですので、ロー側から順次踏み込んで締め付けていくと言った手間がありました。

Winner Pro 7段ウルトラ

新型になったのになぜかNewが取れてしまいました。WinnerProは玉当矯正研磨仕上げや、ダストカバー採用など良く出来たフリーでしたが、登場が遅すぎました。このフリーは、モザイク状の歯の選択などでも有名です(後述)

Winner 6段ウルトラ

玉当矯正研磨仕上げが省かれたProの廉価版です。とは言っても走っていれば研磨されますので、廉価版でも全然問題ないですね。ボス本体はProに比べて2nd以降にもねじ切りがしてあるなど、汎用性はProより高いです。

α 6段レギュラー

レギュラーサイズ6段の復活です。子供用自転車の普及で安価な6段用レギュラーフリーが復活したのだと思います。設計は126mm〜130mm仕様なので、厚みも31mmあります。

AP 7段ウルトラ

αとそっくりで、どこが変わったのか判りませんが名前はAPになりました。トップのみネジで、セカンド以降はすべてスプラインです。厚みも33mmと厚くなりましたが、126mmのエンドでも使用できています。

AP PowrFlo 7段ウルトラ

今までは従来の歯と互換性を取っていて自由な組み合わせが出来ましたが、変速性能を上げるために変速ポイントを設定し、固定編成になったようです。実際使用してみても、Indexとの相性は従来のAPより良くなっています。歯は13-28と13-30の2種を確認。

AP PowerFlo(Lockring) 7段U

SUNTOUR最後のボスフリーです。この頃はカセットが主流になっていたためか、カセットと同じLockringを採用しています。ただ、カセットとの歯の互換性はありません。

PowerFlo(AP)

 共に従来のAPとはかなり変化があります。変速ポイントの設定により歯の入れる位置が決められており、変形歯の配置など変速性能の改善がなされています。Lockringの有無では、トップの歯とともにセカンドのスプラインも小径化しています。また、本体のほうはLockringと干渉しないように蓋が小さくなっています。
 この頃はカセットにIndexが主流でしたので、カセット用に開発したPowerFloを最後のボスフリーに積んだものと思います。少し前まではNETでも常販されていましたが、最近ではついに見かけなくなりました。

シマノ

 レギュラーフリーに始まって、600、Dura Aceのボスフリーを出していましたが、EXシリーズよりフリーハブを出してボスフリーに止めをさしました。しかし、ボスフリーも全廃にはならず、現在でも細々と生産しているようです。サンツアーの歯がどの世代でも使えるのに対し、シマノは世代を超えては使えません。

 

ユニグライド 5段  Dura Ace 5段  Dura Ace 6段   600EX 6段  NewDuraAce 6段
ユニグライド
FG-100
DURA-5
FA-100
DURA-6
FA-110
600EX
MF-6207
New DURA
MF-7400
26 26 30 32 32 (mm)
1 r1 r2 r2 r2 r2
2 r1 r3 r2 r2 s3
3 s1 s2 r3 r3 s3
4 s1 s2 s2 s2 s4
5 s1 s2 s2 s2 s4
6 s2 s2 s4
旧12 2 2 2 12 (爪)

ネジ   :r1(43mm),r2(40mm),r3(47mm)
スプライン:s1(56mm3爪),s2(50mm3爪),s3(43mm12爪),s4(50mm12爪)

シマノ ユニグライド 5段レギュラー

70年代からあるボスフリーですが、4段の頃の設計を引きずっているのか、やたらと本体が薄いです。フリー抜きの形も今の物と似ていますが、径が違うため入りません

デュラエース 5段レギュラー FA-100

トップブランドのデュラフリーです。ツーリングにも使用できるように、31Tまで歯がありました。これも独特のフリー抜きですが、形状が悪いためか良くなめました。

デュラエース 6段レギュラー FA-110

5段トップのさらに外側に一枚分増設したものです。トップは40mm径でしたので13Tまでしかなく、30mmの厚みのため126mmエンドが必要でした。なぜかボス本体までオロ仕上げです。

600 5段レギュラー

ツーリング用に600シリーズが出来た時のフリーでボスフリーの設計はデュラエースと同じです。5段と6段用があり、フリー抜きも共通です。

600EX 6段レギュラー MF-6207

スプラインはまだ3爪でしたのでデュラなどと共通でしたが、厚みは32mmとなり126mm以上のエンドが必要でした。次のNew600EX(MF-6208)で12爪となりました。

Newデュラエース 6段 MF-7400 

デュラとしては最後のボスフリーで、6段と7段がありました。7段はネジ蓋部分の変更で12Tのトップがついていたものと思います。

MF-6207

 先日、「シマノ600EX 6段 MF-6207用のフリー抜き工具は何でしょうか?」と言う質問がありましたので調べてみました。

 

 記憶では旧デュラエースと同じフリー抜きだったはずですが、現物を見ると爪の大きさは同じのようなのに、旧デュラエース特有の出っ張った部分が見られません。フリーの蓋が邪魔しているのですが、この材質はどう見てもプラスティック。フリー蓋はフリー部品の中でも要の部分なのに、この材質はちと有り得ないので外してみる事にしました。

 

 フリー蓋は逆ネジなのでVIVAフリーキャップ外し(まんまのネーミング)を使って回すと、通常はガッシリ締めこまれているはずの蓋が、軽い抵抗でスルスルと外れました。で、中から出てきたのは本物のフリー蓋を従えた旧600のフリー。

 

 旧デュラエースのフリー抜きもすんなり入りました。結局、旧600のフリーにプラスティックの化粧蓋つけたのがMF-6207と言う事のようですね。

 ちなみにこのフリー抜きは旧レジナの2つ爪と共通だそうです。

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