インフレータ

 最近では丈の短い携帯型やCO2ボンベなど種々のインフレータがありますが、ランドナー全盛の頃は40cm以上の長いポンプが主流でした。長くてザックには入らないので、シートチューブやダウンチューブに付けるのですが、ロードはシートチューブ添いにバネの力で付けるプッシュオン・アダプター式(左)、ランドナーはダウンチューブにペグで取り付けるコネクション式(右)が一般的でした。

 

プッシュオン・アダプター

 ロードやスポルティフに多く、トップチューブとダウンチューブに挟むように取り付けますので、長さも400mm〜520mm程度まで各種ありました。バネの圧力で固定するので、上方はチューブにフィットするように中央がへこんでおり(中)、下方はダウンチューブとBBの接合部に押し付ていました(右)。最近でもフレームポンプの名前で販売されているようです。

 

 BBに押し付けるアダプターは、形状によりツヅミ型(左)と角型(中)があります。シリカやプリマスが一般的でしたがアダプターは互換製品が出ていたため、シリカのポンプにカンパのアダプターを付けるのが流行っていました。

 

コネクション

 ランドナーに多く、ペグによってダウンチューブに付けられています。ペグで距離の調節が取れるため、長さは標準の18インチ(457.2mm)とミキスト用など短め16インチの2種類が主流でした。プリマスが一般的でしたがゼファールやブルーメルなどの高級品もありました。

 

 通常はダウンチューブに付けますが、ミキストではボトル位置の関係からシートチューブに短めのポンプを付けています。
 その他として、シートステーやトップチューブにポンプを付けるものではダウンチューブとシートチューブ2箇所にボトルを付けることが出来るのですが、ペダリング中に当たってポンプが落下したり、持ち上げるときに邪魔になったりしますので、一般的ではなかったようです。

Zefal Solibloc

年代によって微妙に色が違います。

 カラーが綺麗なZefal Soliblocは70年台より販売され、豊富な色と相まってランドナーには定番のようになっていました。ただサイズが18インチ(457.2mm)と言っても実際には465mmあるため、国産の18インチ用にポンプペグを溶接してあるフレームには入らないものもあり、改造して無理やり入れていました。

 

 DC-545はペグの間が465mmあり、無改造で付くのですが、DT-6110はペグ間460mmで18インチの国産インフレータが入っていました。このままでは入らないため、以下の改造をします。

 

1)内臓スプリングを切ります

 上下の基部の部分を切除し、4巻きほど残します。スプリングは外れ防止の作用をするだけですので、きっちり詰まる寸法にしてやれば問題ありません。

2)ホース接合部を平たく削ります

 この部分は作りが粗くバリなどが出てたりしますので、平たく削ることによってホースとの接合面をきっちりすることも出来ます。ただし削りすぎるとホースとのかみ合い部分が少なくなってしまい、エアが漏れたりします。

以上2つの作業で5〜6mm程度短くなります。

 色のバラエティは、カタログ上で78年に白、赤、黄、青(\1200)、87年では黒、赤、青、金、銀、(\1180)、93年では黒、赤、青、銀(\1500)となっていましたが、濃緑なんてのも見たことがあります。2003年までは赤、青もありましたが、2004年には銀、黒のみになってしまいました。

Zefal のホームページ
「traditional road pumps」の項目に入っていましたが、2007年には消滅してしまいました。

 

コネクションホース

 コネコションホースは本体内蔵となっており、バルブに合わせて英式用と仏式用の2種類がありました。外見は同じようですが、英式ホースは図の様に奥が短くてバルブの口に当たる部分にゴムパッキンがあって空気が漏れないようになっています。仏式バルブは英式に比べて奥が深くなっており、パッキンは付いていません。

 

 英式・仏式共にバルブのネジは同じですのでねじ込めますが、英式ホースに仏式バルブでは奥に当たってしまします。逆に仏式ホースに英式バルブでは多少空気が漏れるものの、3気圧程度のランドナータイヤなら十分入ります。昭和時代のランドナー用チューブは英式が主流でしたが、仏式ホースのSoliblocでもパンク修理に困った記憶はございませんでした。

 

 2003年に大阪のIサイクルで購入した時はSoliblocの英式ホースを選んだのですが、付いてきたホースはプリマスの英式ホースそっくりでした(左)。コネクションホースの本体側ネジは各社似ているのですが径やピッチは微妙に違っており、プリマスのホースはSoliblocに緩く入るものの、Soliblocのホースはプリマスに入りません。今回の英式ホースもプリマスにぴったり入りますので、プリマスのホースと断定しても良さそうです。結局、1)Soliblocには英式ホースは存在せず、卸や小売レベルでプリマスホースに付け替えている。2)英式ホースは存在するが入荷の問題などで小売レベルで付け替えている、などが真相なのでしょう。

 

 Soliblocの仏式ホースはコネクション部分に「☆M☆」と「IN FRANCE」文字があります。
 古いカタログには英式ホースも出ていますが、カタログ写真からでは英仏の見分けが付きません。もしSoliblocの英式ホースがあるなら見てみたいものです。

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