玉押しの互換

トラックハブ

 トラックハブは初代ジュラエースの頃からあり、リヤハブのO.L.D.は110mmでしたが、すぐに120mmも追加されました。部品は、回り止め座金と110mm以外の玉押しはロードハブと共通ですが、その他はトラックハブ専用部品です。70年代の製品はH-741(Small)・H-841(Large)、80年代にはHA-300HB-7520と改番しますがシャフト構成は同じでした。80年代にDura10用のハブHA-310(後にHB-7020)が出ていますが、玉押しは別部品のようです。90年代には後継機のHB-7600になってシールリング付の玉押しになり、HB-7600の二次型以降で部品関係が一新されました。

 

フロント

DuraAce(H-741、H-841、HA-300、HB-7520)

 ハブ軸構成は初代(H741)、2代目(HA-300)、3代目(HB-7520)とも同じです。初代はラージハブとスモールハブが出ていましたが、2代目以降はラージハブのみとなっています。

 

 70年代前半に出現してから90年代のHB-7520まで20年余り、上記のパーツで構成されていました。先頭3桁の#237は専用品ですが、#233の座金と玉押しは一般のデュラエースと共通部品です。

 

DuraAce Track(HB-7600-F)

 ハブナットやロックナットなどは初代と共通で、玉押しのみシールリング化を受けておりますが、74系とは違う品番になっていました。ハブ軸は0300(溝切り)以外に、0301(二面切り)、0302(中空軸)も追加されています。

DuraAce Track(HB-7600-A-F)

 座金やシールリングを廃して部品点数を簡素化させた2次型が出ています。このハブ軸構成は次の7700へそのまま受け継がれますが、ハブ本体は初期型なので、防水キャップだけは初期型と共通です。トラック使用はグリスの耐久性など必要ないのでシールリング廃したのでしょうかね。

 

DuraAce Track(HB-7710-F)

 ハブ軸構成は、HB-7600-Aと同じですが、ハブ本体はスモールフランジへ変更されたので、防水キャップも変更されています。

DuraAce 10(HA-310、HB-7020)

 新しいチェーン規格としてDura10を出してきたのですがハブ軸構成はロードと同じで、出た時期がDuraAceEXの時代だったためか、防水キャップもDuraAceEXのものを採用しています。DuraAXの頃までありましたが、いつしか消滅してしまいました。

 

*:Axleは0300(溝切り)以外に、0301(二面切り)、0302(中空軸)もあり

 ハブナットや座金はシリーズを通して同じ物が使用されており、ロックナットもHB-7600-Fまでは同じものが使用されていました。玉押しはHB-7520までロード用と同じ物ですが、HB-7600になってシール化されてからロードとは違う品番になっています。

 

リヤ

DuraAce(H-741、H-841、HA-300、HB-7520)

 120mmのハブ軸では回り止め座金と玉押しはロード用のデュラエースと共通部品です。ロックナットもロードと同じ7.5mm厚ですが、膨らんだ形状ですのでボスフリー側には使用できません。

 

 110mmのハブ軸構成は120mm用に比べると、ロックナットで3.5mm、玉押しで1.5mm短くなっており、この2つで10mm短縮しているようです。ハブナットと回り止め座金以外は共通品は無く、そのせいか110mmのトラックハブは需要無いようで数百円で買えましたが、玉押しはDuraEXのリヤ右側と同じですのでお買い得品でした。

 

DuraAce Track(HB-7600-R)

 ハブナットはロックナットは共通なのですが、FH-7400と同時期の製品ですので防水キャップ、玉押しがFH-7400と同じような変更を受けております。玉押しも74系とは違う品番になっていますが、径と長さは同じですので流用が効くかもしれません(未確認)。ハブ軸はフロントと同じく、溝切り・二面切り・中空軸が出ています。

 

DuraAce Track(HB-7600-A-R)

 フロントと同じく部品を簡素化した2次型で、シールリングも省略されています。また110mmの製品がなくなって120mmのみになりました

 

DuraAce Track(HB-7710-R)

 ハブ軸構成はHB-7600に2次型と同じで、防水キャップのみ新型になっています。

 

DuraAce 10 Track(HA-310、HB-7020)

 DuraEXと同じ頃に出現したためか、120mmのダストキャップがDuraEXと同じ左右独立プラ製になっています。玉押しの品番も1番進んでいおり、ハブ軸も溝切りではなくて中空軸を採用していました。ハブナットや座金は共通です。

 

 110mmの方はロックナット、玉押しともに短くなって、防水キャップは左右共通の専用品です。

 以下にまとめてあります

*:Axleは0310(溝切り)以外に、0311(二面切り)、0312(中空軸)もあり

 ハブナットや座金はシリーズに渡って同じ物が使用されており、ロックナットもHB-7600までは同じものが使用されていました。120mm用の玉押し(#243 1500)はロード用のデュラエースと同じ物ですので、虫食いなどで交換が必要な場合には融通が利いて便利でした。

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