デュラエース 7400シリーズ

カセットスプロケット

CS-7400-6

 6段の規格はEXと同じレギュラーサイズでしたがINDEX仕様となり、SISシフトレバー(SL-7400)で使用できます。歯の色はEXのゴールドからシャンパン色へと変わって渋くなりましたが、Topは11Tが無くなって12Tからとなっています。歯間はデュラ独特の3.65mmでしたのでINDEXを使用するには、SL-7400とRD-7400をSETで使用する必要がありました。

 

 Topはツバ付きのネジ切りで12T〜16Tがありました。2nd以降はスプラインになり、色の違いさえ気にしなければEXシリーズや600、105にも使用できますが、13Tだけはスペーサーにチェーンが当たるためかツバ付きの専用2nd(#103 1320)となっています。Splineの歯数は14T〜26Tと28TでスペーサーはEXと同じ3.65mmですが、材質がレジンから金属(グレー)に変更されています。

 標準的な歯数設定として左記の5種類が出ていたようです。Topが12Tなのはクロスレシオの1種類のみで、以後は13T Topとなり、Lowは26Tまでありました。
 基本的にはDura-Ace EXと同じなため、EXにも6速INDEXが使えるだろうとSL-7400/RD-7400を導入したのですが、どうしてもうまくシンクロしませんでした。結局EXでのINDEX使用を諦めて7速INDEXでロードを組んだわけですが、今から思えばEXのカセットだけをCS-7400-6にすればすんなりと動いたのでしょうね。すぐに7速INDEXで組んだため、ほとんど使用しなかったSL-7400/RD-7400は押入れの底に眠って、後日発見されるのでした(笑)。

DuraAceEX(72デュラ)との違い

 6速INDEXがうまく作動しなかったEXの6速ですが、CS-7400-6と規格は同じなので本当に同じかどうか比べてみました。左がDuraAceEX6速(金歯にレジンのスペーサー)、右がCS-7400-6(シャンペンGoldにBrownの鉄スペーサー)です。高さは同じ29.5mmでスペーサーの高さも同じ3.65mmでした。

 

 FH-7260に両者をはめてみましたが、2ndスペーサーの残り具合、2ndスプロケットの入り具合は両者ともほぼ同じでした。

 

 両者は同じ物と考えて良さそうですが、それではなぜEXに6速INDEXがシンクロしなかったのでしょうか。当時のスプロケットはTopを11Tとしたクロスレシオだったので、7400では非対応の11T Topだったからか、かなり使用したスプロケットだからか、調整が未熟だからか(笑)。今から再チャレンジしても良さそうですが、肝心のスポルティフは部品取られ状態ですので、すぐにリベンジと言うわけにはいけませんね。
 FH-7260にCS-7400-6は綺麗に入りました(左)。

CS-7400-7

 チェーンをウルトラ化(narrow化)すると6段の幅で7段が使用できますので、6段フリー本体に入れる7段カセットがCS-7400-7です。73系デュラでは6・7段でフリー本体が別々でしたが、74系では同じ本体で6段と7段が使用できるようになっています。そのため、スペーサーによるシャフトの左右調節やツバ付き2ndスプロケットなどが設けられています。

 

 Topはツバ付きのネジ切りで12T〜14Tが出ていました。2ndは7速専用ツバ付き(Built in Spacer)スプロケットで、3rd以降は6段と同じスプラインスプロケットを使用します。スペーサーも7段にあわせて3.1mmとなりINDEXも7段カセット専用のSL-7401/RD-7401に変更されました。

 

 6速と同じように5パターンの歯数設定がありました。クロスレシオから最Low26Tまでありますが、UGですので購入後の組換えは自由です。次のHGでは変速性能向上のため設定が固定されますが、設定はこれらの売上状況から決めたのでしょうかね

CS-7400-8

 7速にさらに1段足して8速にしたのがCS-7400-8です。これに従ってフリーボディーやハブシャフトも長くなり、O.L.Dは130mmとなりました。歯間は7速より0.1mm短くなって3.0mmとなっていますが、Topや2ndのツバ付きスプロケットは7-8速共用になっています。この後HG8速へと進むのですが、移行期用に34.6mmのUG Topスプロケットなんてものまで出ていました。

 Topスプロケットは7速と同じ品番ですが「7-8S」の刻印があります。ノギスの実測では歯間は3.1mmあり、7速と同じものといえそうです。8速用にフリーボディーを長くしたハブがFH-7402ですが、同じ規格でHG8速を出したためUG8速とHG8速両方使用できるボディーを持ったFH-7403が出ました。ただし、設計の関係上Topのネジは32.0mmから34.6mmになったため、苦肉の策のデュラ8速UG用34.6mmTopスプロケットが出ています(品番下位2桁が00)。34.6mmTopは下位グレードの600や105で採用されていたので代用できそうですが、当時8速はデュラしか出ていませんでしたので、FH-7403専用Topスプロケットとして出たようです。ツバ付き2ndスプロケットもTopと同じく7-8速共用で「7-8S」刻印の同じ品番があります。スペーサーは0.1mm短くなって3.0mmになり、色はSilverからAluminum colorになって「8S 3.0m/m」刻印があります。

 

UGスプロケット

 1988年度版のシマノパーツカタログに載っていた互換表です。Topと2ndでは、7速と8速は共用になっており、スプラインスプロケットは600など下位グレードの全製品とも共用です。スペーサーは6(Gray),7(Silver),8速(Aluminum)で専用品が出ていますが、色で違いを見分けるようですね。

 

Top

 Topスプロケットの違いです。「8S」刻印は無くて8速は「7-8S」記載。7速は「7S」記載ですが品番同じなので8速にも使えそうです。6速は6-7速混売時代は「6S」記載がありますが、無印のものもあります。FH-7403専用Topには「BC34.6」の記載がありますが市場にほとんど出ておらず、まず見かけないでしょう。
 歯数ですが、上記の表ではTopは12-14Tとなっていますが、品番表では12-17T、オークションでは18Tも見かけました。実用には15〜16Tまであれば十分と思いますが、18TのTopなんて8速ならクロスレシオで組んでも18-25Tとなり、需要あるのでしょうかね。

 

2nd

 ツバ付き2ndスプロケット(Buit in Spacer)もTopと同じく7-8速は共用で、刻印も「7-8S」と「7S」が混在しています。6速はチェーン当たりの関係からか、最小の13Tのみツバ付きが出ています。7速のツバ付き2ndはフリーボディーを6-7速で共用するために出てきたもので、8速は専用ボディですから必要ないと思うのですが、何故だか使用していますね。
 歯数はTopと同じく上記の表では13-15Tとなっていますが品番表では13-16T、実際には19Tも存在していて入手しました(右・7S刻印)。18T-Topがあるようなので19T-2ndがあっても不思議ではないのですが、何時使用するのでしょうかね。

 

3rd〜

 スプラインスプロケットは全製品共通なのですが仕上げが違っています。600がSilverなのに対して74DuraはChampagne Goldですが、品番表では8速はSilverになっています。製造後20年以上経っていますので、保存状態の差から色んなChampagne Goldのスプロケットを持っていますが、明らかに白っぽいスプロケットはこのSilverのようですね。600もSilverで色調的に600は明るめ、74Duraは暗めのSilverと思いますが、経年変化かもしれません(笑)。左写真も実物では違いがわかりますが、写真に取ると違いがはっきりしませんね。

CS-7401

 歯を固定化して変速性能を高めたHGスプロケットの登場です。UGスプロケットと違って、全歯スプライン仕様とし、ロックリングでの固定、変速ポイントでの歯の切れ欠き、9個ある勘合突起の1つを長くしてはめ込む位置の固定化など大きく変わっています。以後9〜10速化していきますがこのCS-7401がHGカセットのプロトタイプとなりました。(注:上写真のスプロケットはCS-7401ではありません)

 

 一般的にHGカセットはUGフリーに入らないと言いますが、絶対とは言い切れません。HGフリーは左のように溝の1つが広くなっています。と言う事は、UGフリーの1つの溝を掘って深くすれば理論上は入るはずです(UG・HG共用のFH-7403は広くなっています)。ただし、カセットフリー本体を削るのは至難の業ですので、反対にHGスプロケットのほうを削ります。削る部分は広くなっている部分の向かって左側で、右の赤矢印で示されている部分です。回転は右方向ですので、力は向かって右の黒印の所にかかりますから削る部分には力がかからず、少々ラフに削っても問題ありません。実際、HGフリーにUGスプロケットを入れても問題ありませんので、矢印の部分の精度は入れば問題ないと思います。ただ、入っても本来の変速性能は保証されないと思いますので、どうしても欲しいLowスプロケットなど、常用しないスプロケットでの使用が妥当でしょう。この方法で代用できるのはスプラインスプロケットだけで、当然Topと2ndスプロケットは代用が効きません。交換の必要の高い部品の代用が効かないのは、厳しい所ですね。

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