ボスフリーの設計を一新すると共にウルトラチェーンの開発で、一つのボディーで5〜7段が組めるようになりました。ロー側2枚はスプラインで共通ですが、BC44のネジ部に6・7段では中間3枚が、5段のみ中間歯2枚が入り、B.C.38のネジ部には6・5段では1stが、7段のみ1stと2ndの合体が入ります。ダブルナットの採用で玉押しの再調整が出来るなどウイナーに比べ進化していますが、インデックス無しでの7段変速はチェンジがシビアなので、レース以外では見かけませんでした。

レギュラー5段 NW-5000

レギュラー6段 NM-6000

ウルトラ6段 NM-6500

ウルトラ7段 NW-7000

ボスフリー

 A (スプライン52):17・18・19・20・21・22・23・24・25・26・28・30・32
 E (ネジB.C.39):13・14・15(レギュラー1st)
 L (ネジB.C.39):13・14・15(ウルトラ7専用2nd・1stネジ付)
 N (ネジB.C.44):14(レギュラー5・クロスレシオ専用2ndツバ付)
 P (ネジB.C.44):14(ウルトラ・クロスレシオ専用ツバ付)
 R (ネジB.C.44):15・16・17・18・19・20・21
 S (ネジB.C.39):13・14(ウルトラ6用1st)
 T (ネジB.C.44):14・15・16・17・18・19
 U (ネジB.C.1.37"):12・13(ウルトラ7専用1st)
 V (スプライン52):16(レギュラー5・クロスレシオ専用4thツバ付)
 X (ネジB.C.39):14・15・16(レギュラー2nd・1stネジ付)
スペーサー(レギュラー):BD(スプライン)、BV・FT(ネジ)
     (ウルトラ ):UBD(スプライン)、UBV・UFT(ネジ)、UBT・UTN(ネジ-スプライン間)

 ワンボディでレギュラー5段からウルトラ7段まで組めるマルチなフリーで、玉押し微調整ができるなど当時でも最高峰のフリーでした。ウルトラチェーンの出現と相まって変速の多段化に貢献しましたが、まだINDEXが出来てませんでしたのでウルトラでの変速タイミングが難しく、付けてる人は限られてました。さらなるフリーの多段化は、フリーハブの出現とINDEXの完成まで待つ事となります。

 

組上がり寸法図

レギュラー5段

 従来の5段構成です。トップは39mmネジのTypeEでレギュラー6段のTopと同じです。2ndには44mmネジのTypeT。これはウルトラとレギュラー共通で、スペーサーで調節してます。TypeNはレギュラー5段のクロスレシオ用14Tで、スペーサーではチェーンに当たるためツバ付きになっています。3rdのTypeRもTと同じく共通の44mmネジです。TとRは同じように見えますが、歯のツバ切りが違っています。4th、5thは以前と同じ52mmスプラインのTypeAで、TypeVはクロスレシオ用16TでTypeNと同じくツバ付きになっています。

レギュラー6段

 従来の5段構成の外側にもう一段足した構造です。トップのEリングは同じなのですが、つける場所は2nd,TypeXの外側に増設したネジにねじ込みます。図で見ればよくわかりますね。3rd以降は5段の2nd以降と同じ構成です。この場合、Topが13Tから始まるクロスレシオでは、3rdは15T、5thは17Tになりますので、特殊なTypeNやTypeVは必要なくなります。

ウルトラ6段

 Topはウルトラ6専用のTypeSとなっています。レギュラー。2nd・3rdは44mmスプラインのTypeTで共通です。レギュラーと同じくクロスレシオ用の14Tはツバ付きのTypePになります。4thも同じく共通のTypeRですが、クロスレシオの16Tのみ、スペーサーが小径のUBTになります。5th-6thはTypeAでスペーサーのみ薄型のUBDになります。

ウルトラ7段

 レギュラー6段と同じ考え方でウルトラ6段に7段を入れています。トップは12Tを実現するために39mmより小径にしていますので1stのTypeUと2ndのTypeLはセットの専用歯となっております。3rd以降はウルトラ6の2nd以降と似た構成になっていますが、6段では3rdの位置に相当する4thはTypeTではなくTypeRになっています。チェンジの問題でしょうかね。ちなみに、7段の歯がULTRRAAになるのは、ちょっと狙いすぎだと思います。

スペーサー(レギュラー)

BV:15T専用のスペーサーで、段付きになっている
FT:44mmの標準スペーサーで、歯のツバと合わせて3.5mmになる
BD:52mmの標準スペーサー

スペーサー(ウルトラ)

UBV:15T専用段つきスペーサー
UFT:44mmスプライン用標準スペーサー
UBT:44mm側の歯に押さえられる52mm側のスペーサー
UTN:44mm側が16Tの時の小径スペーサー
UBD:52mmスプライン標準スペーサー 



 ニューウイナーではワンボディーで5〜7段を実現するために、ボディ径が3段構成になっています。1段目の39mmはそれぞれ専用の1stと2ndを作る事で解決し、2段目と3段目はスペーサーで調節してます。ただし、2段目と3段目のつなぎ目の位置が問題になるため、ウルトラ時は52mmのスペーサーで、レギュラー時は44mmのスペーサーで調節できるよう、52mmのボディ幅を決めています。一見良さそうな処置ですが、このため各ギヤ間の幅が不等ピッチとなって以後に出てくるINDEXに大きな影響を及ぼすのは、この時点では知る由も無かったのでしょうかね。

ギヤの間隔

1-2 2-3 3-4 4-5 5-6 6-7
レギュラー5 3.7 3.6 3.7 3.5    
レギュラー6 3.8 3.7 3.7 3.7 3.5  
ウルトラ6 3.1 3.1 2.9 2.7 2.7  
ウルトラ7 3.2 3.3 2.9 2.9 2.7 2.7

 レギュラーの頃からそうでしたが、SUNTOURのボスフリーは不等ピッチでした。ウルトラになっても3段まではやや広く、ロー側に行くほどピッチが狭くなります。このニューウイナーが出た頃はまだINDEXは出ていませんでしたので、ウルトラを120-126mmハブに入れるためにこの様なピッチになったのでしょうかね。INDEXと共に出た次期ウイナーでは、さらに少しだけピッチが変わっています。

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